2024年産
グレープフルーツ、花、カスタード
うま味★☆☆☆ / 渋味★★☆☆
コク★★★☆ / 火入れ★☆☆☆
1970年代初めに登録されたさやまかおりは、日本中にたくさん広まった品種の一つです。
さやまかおりは煎茶としての品質は注目に値するのにその渋みのせいで今では低く評価されがちですが、特徴ある花の香りはとても高い評価を得ています。矛盾していることに、例えば静岡の山間部ではとても芳香のすばらしいさやまかおりが数多くみられる一方、生まれ故郷である埼玉では香りがないものが多いのです。そこで私たちは狭山の生産者に特別にお願いして、狭山の地と品種の両方の特性を併せ持つ煎茶になるように、少量だけを特別に手をかけて製造してもらいました。
今年は普通蒸しを依頼しました。
このさやまかおりはライムと卵の黄身をほうふつとさせる、なんともいえない豊かな香気を放ちます。植物の青々として新鮮な香気に食欲をそそられます。
淹れたお茶に渋みはありますがきつさはなく、とても上品な印象です。わずかに苦みを感じますが、グレープフルーツとライムの香気に伴っているようです。またかすかに花香も感じられます。
後口は強く甘い味わいです。
二煎目以降もとても濃厚な香りが漂い、渋みがまた少しありますが、すっきりとのどの渇きをいやしてくれます。
さやまかおりのこれまで知られていなかった新たな一面をみせてくれるような、並外れて洗練された煎茶です。
茶種 : 普通蒸し煎茶
産地 : 埼玉県狭山市堀兼
品種 : さやまかおり
摘採 : 2024年5月4日
淹れ方のヒント
茶葉の量: 4g
お湯の量 : 70ml
お湯の温度 : 80°C
浸出時間 : 60s