トロピカルフルーツ、青野菜
うま味 ★★☆☆ / 渋味 ☆☆☆☆
コク ★★☆☆ / 火入れ ★★☆☆
「あさのか」は鹿児島生まれ品種の中でも、特に香りの面でもっともおもしろい品種の一つです。このエリアの他の品種のようにシンプルにうま味のみに力点が置かれているのとは異なり、より豊かな香りを備えています。
当地では一般的な被覆栽培でもよくわかるほどの品種香を持つ「あさのか」ですが、こちらの煎茶は鹿児島産としては珍しく、遮光しないで育てた露地栽培のものです。美しい深蒸し煎茶で、鼻に甘くフルーティーな香りと、バランスの取れた火香が広がります。口に含むと濃厚で、しっかりとしたうま味がありながらもエレガントな味わい。渋みはほとんど感じられず、ここでも甘い果実の香りが強く感じられます。このフルーティーな香りは、二煎目以降でよりはっきりと目立つようになり、マンゴーなどのトロピカルフルーツを思い起こさせます。また、緑の野菜や甘い花のニュアンスも感じられ、口の中には非常に強い余韻が残ります。
この深蒸しの「あさのか」は、深蒸し煎茶としては類を見ないほどの香りとまろやかさを兼ね備えた、まさに驚くべき逸品です。露地栽培であることが、鹿児島産の深蒸し煎茶としてはかなり珍しい特徴をこのお茶にもたらしたと言えるでしょう。
茶種: 深蒸し煎茶
産地: 鹿児島県南九州市知覧町
品種: あさのか
摘採: 2025年4月15日
淹れ方のヒント
茶葉の量: 4 g
お湯の量 : 70 ml
お湯の温度 : 70°C
浸出時間 : 60秒