ジャスミン、スズラン、白葡萄
うま味★★☆☆/ 渋味★★★☆
コク★★★☆ / 火入れ★☆☆☆
「藤かおり」は、静岡県藤枝市で森園市二氏と小柳三義氏によりインド系の「静-印雑131」と「やぶきた」のかけ合わせから選抜された品種で、ジャスミンのような香りがその特徴です。
このジャスミンを思わせる特徴的な香りは釜炒り茶に加工したとき最も強く感じられますが、煎茶では必ずしもそうではなく、品種香がはっきりとわかる「藤かおり」の煎茶は実に稀少です。こちらの煎茶は、蒸す前に葉を少し萎凋させる(しおらせる)ことで、ジャスミン様の甘くフローラルな香りがよく引き出されています。この香りは鼻に抜けるだけでなく後味にも強く現れていて、特に二煎目以降ははっきりと感じ取れます。
口に含むとボリューム感があり、ほどよい渋みとしっかりとした味わいで、その奥にうま味も感じられます。香りはやはり印雑系品種らしい花の香りです。
最後に…、こちらの「藤かおり」の煎茶は、品種特有の芳香をはっきりと持ちながらも、特異な、癖の強すぎる風味はありません。コクがあり、熱いお湯でも美味しく淹れることができ、深みと奥行き、そして面白味のある煎茶を愛飲される方にもきっとご満足いただけることでしょう。
茶種 : 普通蒸し煎茶
産地 : 静岡県藤枝市高田
品種 : ふじかおり
摘採 : 2025年5月8日
淹れ方のヒント
茶葉の量: 4g
お湯の量 : 70ml
お湯の温度 : 80°C
浸出時間 : 60s