美作番茶は、実に様々な製法で作られる日本の伝統的な地方の庶民のお茶の中で、現在でも製造されている珍しいお茶の一つです。岡山県美作で作られ、その始まりは室町時代にまでさかのぼると言われます。
この番茶は十分に成長した夏の葉から作られます。まず煮てからむしろにひろげて天日で乾かします。乾燥の状態によって生葉を煮た煮汁を、葉に何回かかけます。こうすることで美作番茶の特徴的なツヤがでてきます。最後に葉を焙じます。
淹れたお茶の香りはほうじ茶に似ていますが、茶葉を揉んでいないのでよりまろやかで優しい香りです。焙じた甘い芳香にこしょうのような風味が加わっています。口に含んでもとても甘く、すっきりとして軽やかでいて、後口に感じられる芳醇で香ばしい香りが食欲をそそります。
一日中、たくさん気軽に飲めるお茶で、冬は温まり、夏は涼しくしてくれます。美作番茶のカフェインの量は平均して煎茶の半分です。
とても飲み心地がよく、ほうじ茶と同じように楽しめるお茶です。
淹れ方のヒント
茶葉の量: 3g
お湯の量 : 150-200ml
お湯の温度 : 100°C
浸出時間 : 40s
茶種 : 番茶
産地 : 岡山県美作市海田
品種 : やぶきた、他