イチジク、若葉、砂糖漬け果物
うま味★★☆☆ / 渋味★☆☆☆
コク★★☆☆ / 火入れ★☆☆☆
和束は「宇治茶」の最も生産量の多い産地です。もともとは煎茶の産地でしたが、今日ではかぶせ茶が主流になっています。これは京都の一般的な傾向で、実際、「宇治の煎茶」の大半がかぶせられています。生産者の籠嶋渉氏はかぶせ茶もかぶせていない本当の煎茶も作っていて、ここでご紹介するのはかぶせていない純煎茶です。
ごこうは宇治の在来種から選別された素晴らしい宇治品種で、かぶせ茶用品種とされています。特に高級な玉露に利用されているのですが、今回とてもうれしいことに、かぶせていないごこうで煎茶を作ってくれました。
完熟レーズンやイチジクを思わせるフルーティな香りがとても豊かで、ほのかにバターの香りがし、アルコール分が入っているかのような印象も与えます。ごこうで作られる玉露とかぶせ茶のすばらしい香りが、かぶせていないこの煎茶にも感じられます。
口に含むとまずほどよいうま味があり、続いてごこう独特の芳香があるのがわかります。ほんの少し渋みがあり、まろやかで食欲をそそられるこのお茶に奥行を与えています。
二煎目以降はよりあっさりとしてより青々とした感じがでてきます。
かぶせていないお茶ですが、芳香が際立っていて、玉露によく感じられる芳香とかぶせ茶用の品種に自然にあるうま味があり、とても興味をそそられるお茶です。
茶種 : 普通蒸し煎茶
産地 : 京都府相楽郡和束町石寺
品種 : ごこう
摘採 : 2025年5月5日
淹れ方のヒント
茶葉の量: 4g
お湯の量 : 70ml
お湯の温度 : 70°C
浸出時間 : 60s