宇治田原のごこうから作られたこの玉露はハサミ摘みですが、玉露の香りと覆い下栽培用のごこうに独特の香りがとてもよく表れています。
宇治田原禅定寺の有名な桑原共同工場で勝谷氏が作った玉露です。この昔からある工場で作られるお茶は独特の香りがすることでよく知られています。この工場はとても古く天井は高く機械は年季が入っています。ここでは葉の形にはあまり気をかけずお茶を製造しているようで、また普通よりも蒸しが強い玉露になっています。
香りも味わいも、とても濃厚な玉露です。緑の野菜を思わせる芳香で、この品種特有の砂糖漬けイチジクの風味が際立っています。
口に含んだ印象はとても力強く、玉露特有のうま味がよく表れており、渋みはまったくなくまろやかかつ滑らかです。ここでもやはりごこう特有の香気が漂いますが、青みは奥の方にやや鳴りを潜め、イチジクのようなフルーティーさが主として感じられます。
後味はとても力強く続き、どことなくはちみつを彷彿とさせます。
ごこうのもつ様々な可能性を改めて気づかせてくれる、とても良質でお手頃な玉露です。
茶種 : 玉露
産地 : 京都府綴喜郡宇治田原町禅定寺
品種 : ごこう
被覆: 24 日間 (棚下)
摘採 : 2024年5月18日
淹れ方のヒント
茶葉の量: 4g
お湯の量 : 40ml
お湯の温度 : 60°C
浸出時間 : 90s